
日々、記事を読んだり、YouTubeで学んだり、SNSで気になる投稿を見つけたりしていると、頭の中には「あとで使えそうな情報」がどんどん増えていきます。
ただ、実際にはどうでしょうか。
保存しただけで見返さなかったり、どこにメモしたのか分からなくなったり、必要な場面で思い出せなかったりすることも多いはずです。
つまり、情報は集めるだけでは意味がありません。
大切なのは、集めた情報をあとから使える状態にしておくことです。
そこで注目したいのが、CodexとObsidianを組み合わせて、自分専用の知識ベースを作る方法です。
Obsidianは、Markdownファイルを管理しやすいノートアプリです。
一方でCodexは、その中にある情報を読み取り、整理し、関連づけ、必要なときに引き出しやすくしてくれます。
単なるメモ帳ではなく、自分が集めた情報同士をAIがつなげてくれるため、自分専用の小さなインターネットやWikiのように使えるのが大きな特徴です。
情報を保存するだけで終わらせず、仕事、学習、発信、マーケティング、日々の意思決定に使える形へ変えていく。
それが、Codexで第二の脳を構築する大きな価値です。
第二の脳とは何か
自分専用の知識ネットワークを作る考え方
第二の脳とは、自分が得た知識、メモ、資料、記事、動画の内容、アイデア、日記、仕事の記録などを一か所に集め、あとから活用できる状態にした仕組みのことです。
人間の記憶だけに頼ると、どうしても忘れてしまいます。
たとえば、数週間前に読んだ記事の内容、以前考えた企画案、誰かと話した会話の要点、学んだノウハウなどは、必要なときにすぐ取り出せるとは限りません。
だからこそ、自分の外側に「もう一つの記憶装置」を作っておく必要があります。
ただし、第二の脳を作る目的は、情報を保存することそのものではありません。
本当に重要なのは、保存した情報をあとから使えるようにすることです。
情報をつなげることで価値が生まれる
単独のメモは、ただの記録で終わってしまうことがあります。
しかし、複数のメモがつながると、新しい発見が生まれます。
たとえば、次のような情報が別々に保存されていたとします。
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SEOに関する記事
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AI検索に関する投稿
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広告運用のメモ
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商品ページ改善のアイデア
人間の目では、それぞれを別ジャンルとして扱ってしまうかもしれません。
しかしAIは、それらを「マーケティング」「集客」「売上改善」という共通テーマで関連づけることができます。
このように、Codexを使えば、自分では気づかなかった情報同士の関係を見つけやすくなります。
情報をただ並べるのではなく、知識のネットワークとして育てていける。
ここが、普通のメモ管理との大きな違いです。
CodexとObsidianを組み合わせる理由
ObsidianはMarkdownファイルを扱いやすい
Obsidianは、Markdown形式のテキストファイルを管理するためのアプリです。
Markdownとは、見出し、箇条書き、リンクなどをシンプルな記法で表現できるテキスト形式のことです。
Obsidianの良いところは、特別なデータベースに閉じ込められない点です。
実体は、ローカルフォルダ内のテキストファイルです。
そのため、管理しやすく、別のツールにも移行しやすく、AIにも読み込ませやすいという利点があります。
また、Obsidianではノート同士をリンクで結ぶことができます。
これにより、Wikipediaのように、ある概念から別の概念へ移動できる知識ベースを作れます。
情報をただ保存するだけでなく、つなげて育てる。
この使い方とObsidianは非常に相性が良いです。
Codexは情報の整理役として使える
Codexは、コード作成だけに使うものではありません。
フォルダ内のファイルを読み取り、ルールに沿って整理する用途にも使えます。
ObsidianのVaultフォルダをCodexのプロジェクトとして開けば、その中にあるMarkdownファイルを処理できます。
たとえば、RAWフォルダに入れた未整理のメモや記事を読み込み、内容を要約し、関連するトピックページを作成し、既存のページにリンクを追加する。
このような処理をCodexに任せることができます。
つまり、役割を分けると次のようになります。
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Obsidian:知識の保管場所
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Codex:知識を整理・接続・活用するエージェント
この組み合わせにより、メモがただの倉庫ではなく、使える知識ベースに変わっていきます。
ChatGPTとの違い
ChatGPTは、会話形式で質問に答えてもらう用途に向いています。
一方でCodexは、フォルダ内のファイル構造を前提に作業する用途と相性が良いです。
第二の脳を作る場合、知識は一回のチャットの中だけにあるわけではありません。
ローカルのフォルダに、長期的に蓄積され続けます。
そのため、Codexのようにプロジェクトフォルダを読み込める環境は、長期的な知識ベースの管理に向いています。
一回だけ質問して終わるならChatGPTでも十分です。
しかし、継続的に情報をためて、整理して、再利用していきたいなら、CodexとObsidianの組み合わせはかなり実用的です。
知識ベースを作る基本構成
まずObsidian Vaultを用意する
最初に、ObsidianでVaultを作ります。
Vaultとは、Obsidianで管理するノート群を入れるフォルダのことです。
このVaultの中に、情報を分類するためのフォルダを作っておくと管理しやすくなります。
たとえば、次のような構成です。
Obsidian Vault
├─ RAW
├─ Sources
├─ Topics
├─ Entities
├─ Journals
├─ Index.md
└─ agents.md
それぞれの役割は次の通りです。
RAWは、未処理の情報を入れる場所です。
記事、動画のメモ、SNS投稿、アイデア、コピーした文章などを一時的に入れておきます。
Sourcesは、元情報ごとの整理ページです。
どの記事から得た情報なのか、どの資料に基づく内容なのかを残しておく場所です。
Topicsは、テーマ別のページです。
たとえば「AI検索」「コンテンツマーケティング」「営業自動化」「Notion活用」「YouTube運用」など、概念ごとにページを作ります。
Entitiesは、人名、会社名、サービス名、プロダクト名などを整理する場所です。
Journalsは、日記や日々の振り返りを入れる場所です。
Index.mdは、知識ベース全体の目次として使います。
agents.mdは、Codexにどう処理してほしいかを書く指示書です。
この構成にしておくと、情報の入口、整理先、全体の目次、AIへの指示が分かれます。
最初から複雑にしすぎる必要はありませんが、最低限この形にしておくと後から運用しやすいです。
RAWフォルダを情報の入口にする
情報整理でつまずきやすいのは、最初から完璧に分類しようとすることです。
「これはどのフォルダに入れるべきか」
「タグは何を付けるべきか」
「あとで見つけやすい名前にしないと」
このように考えすぎると、保存すること自体が面倒になります。
そこで、まずはRAWフォルダに何でも入れる運用にします。
気になった記事、YouTubeの内容、SNS投稿、会議メモ、思いついたアイデアなどを、まずRAWに放り込むだけです。
その後、Codexに「RAWフォルダの未処理ファイルを処理して」と依頼します。
Codexが内容を読み、適切なトピックに分類し、必要なページを作成・更新します。
この流れにすると、人間がやる作業はかなりシンプルになります。
人間は保存する。AIは整理する。
この分担ができると、知識ベースを継続しやすくなります。
agents.mdに処理ルールを書く
Codexに毎回細かく指示するのは面倒です。
そこで、Vault内にagents.mdを作り、処理ルールを書いておきます。
たとえば、次のような内容です。
# Ingest Rule
ユーザーがRAWフォルダ内のファイル処理を依頼した場合、以下の手順で処理する。
1. RAWフォルダ内の未処理ファイルを読む
2. すでに同じURLや内容が処理済みでないか確認する
3. Sourcesフォルダに元情報ページを作る
4. Topicsフォルダに関連テーマのページを作る、または更新する
5. Entitiesフォルダに人名、会社名、サービス名のページを作る、または更新する
6. 関連するページ同士を内部リンクでつなぐ
7. Index.mdを更新する
8. 処理済みファイルを適切な場所へ移動する
このような指示をあらかじめ用意しておけば、Codexは同じ方針で継続的に知識ベースを整えてくれます。
ポイントは、Codexに「毎回考えさせる」のではなく、自分の知識ベース専用のルールを渡しておくことです。
これにより、情報整理の品質が安定しやすくなります。
Codexで情報を自動処理する流れ
Obsidian VaultをCodexで開く
ObsidianのVaultはローカルフォルダなので、Codex側で「既存フォルダを使う」形で開きます。
このとき、CodexにVault全体を参照できるようにしておくと、RAW、Topics、Sources、Index、agents.mdなどを読み取れるようになります。
基本的な考え方はシンプルです。
Obsidianはノートを書く場所。
Codexはノートを読んで整理する場所。
この2つを同じフォルダでつなぐことで、第二の脳として機能します。
Obsidianだけでもノートは作れます。
しかし、情報が増えてくると、整理や関連づけが追いつかなくなります。
そこをCodexに任せることで、知識ベースが育ちやすくなります。
クリップした情報をRAWに入れる
Web記事やYouTubeの内容は、ObsidianのWeb Clipperやブラウザ拡張を使って保存できます。
手動でコピーしてMarkdownファイルにしても構いません。
大切なのは、保存した情報を最初から完璧に整えないことです。
RAWフォルダに入れておけば、後からCodexが処理できます。
保存する情報は、次のようなものが向いています。
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あとで読み返したい記事
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仕事に使えそうなノウハウ
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発信ネタになりそうな情報
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会議メモ
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競合調査の記録
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商品改善のアイデア
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日々の振り返り
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読書メモ
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セミナーやイベントのメモ
こうした情報を一か所に集めることで、後からAIが横断的に参照できるようになります。
最初の段階では、きれいに分類するよりも、まず集めることを優先した方が続きやすいです。
Codexに処理を依頼する
RAWフォルダに情報がたまったら、Codexに次のように依頼します。
RAWフォルダ内の未処理ファイルを処理してください。
agents.mdのルールに従って、Sources、Topics、Entities、Indexを更新してください。
これだけで、CodexはRAW内の情報を読み取り、テーマごとに整理してくれます。
たとえば、AI検索に関する記事が入っていれば、Topics内に「AI検索」や「AEO」などのページを作成・更新します。
特定の企業名やサービス名が出てくれば、Entitiesにページを作ります。
関連する既存ページがあれば、内部リンクを追加します。
これにより、保存した情報が孤立せず、知識ベース全体の中に組み込まれていきます。
ただ保存されたメモが、使える知識に変わっていくイメージです。
自動実行で夜間に処理する
Codexで定期実行が使える環境であれば、毎日決まった時間にRAWフォルダを処理するように設定できます。
たとえば、日中は気になった情報をRAWに放り込むだけにしておき、深夜にCodexが自動で整理するようにします。
すると翌朝には、知識ベースが更新された状態になっています。
この仕組みができると、情報整理の負担が大きく減ります。
人間がやるのは、主に次の2つです。
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気になった情報を保存する
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必要なときに質問する
分類やリンク付けはCodexに任せられます。
情報整理に時間を奪われるのではなく、情報を使うことに時間を使えるようになるのが大きなメリットです。
仕事や日常で活用できる具体例
マーケティング戦略の相談相手にする
知識ベースにSEO、AEO、広告、SNS、商品ページ、競合情報などを入れておくと、Codexは自分専用のマーケティング相談相手になります。
たとえば、次のように質問できます。
このVault内の情報をもとに、私のWebサイトをAI検索で引用されやすくするための改善案を出してください。
一般的なAI回答ではなく、自分が保存してきた情報を前提に提案してくれるため、より実務に近い答えが得られます。
また、過去に保存した複数の記事や調査メモを横断して、共通点や優先順位を出してもらうこともできます。
これはかなり便利です。
なぜなら、マーケティングでは「情報を知っていること」よりも、今の自分の状況にどう使うかが重要だからです。
Codexに知識ベースを読ませることで、ただの一般論ではなく、自分の情報資産に基づいた提案を受けやすくなります。
朝のブリーフィングを作る
毎朝、Codexに知識ベースを確認させて、その日の提案を出してもらう使い方も便利です。
たとえば、次のような依頼です。
過去2週間で追加された情報をもとに、今日取り組むべき仕事の候補を3つ提案してください。
このように設定しておけば、自分が集めた情報が日々の行動につながります。
保存しただけで終わるのではなく、次に何をすべきかまで考える材料になります。
Slackなどと連携できる場合は、朝9時に自動でメッセージを受け取るような運用も可能です。
AIが受け身の道具ではなく、能動的に提案してくる存在になります。
この使い方ができると、情報収集の意味が大きく変わります。
読むための情報ではなく、行動を変えるための情報になるからです。
競合調査に使う
マーケティングや事業運営では、競合の動きを把握することが重要です。
Codexとブラウザ、サイトマップ確認、メモ保存の仕組みを組み合わせれば、競合サイトの更新、ニュース、ブログ記事、新商品情報などを追跡しやすくなります。
単に「競合が新しい記事を出した」と通知するだけではありません。
自分の知識ベースと照らし合わせて、次に取るべき行動まで考えられる点が便利です。
たとえば、次のような質問ができます。
最近保存した競合情報をもとに、自社サイトで対応すべきコンテンツ改善案を出してください。
このように使うと、調査が単なる情報収集ではなく、具体的な施策につながります。
競合を見て終わりではなく、自分の行動に落とし込めるのがポイントです。
人脈管理に使う
第二の脳は、仕事の知識だけでなく、人との関係性を記録する場所としても使えます。
イベントや商談、交流会で会った人について、名前、出会った場所、話した内容、興味関心、次に連絡したいことなどをメモしておきます。
後日その人に会う前にCodexへ尋ねれば、過去の会話を思い出せます。
〇〇さんとは前回どこで会い、どんな話をしましたか?
このような記録があると、再会時の会話がスムーズになります。
相手に関心を持って接するための助けにもなります。
人脈管理というと、連絡先を保存するだけのイメージがあるかもしれません。
しかし本当に大切なのは、名前やメールアドレスではなく、その人と何を話し、何に関心を持っていたかです。
そこまで記録できると、第二の脳は人間関係にも役立ちます。
日記と知識ベースをつなげる
日々の振り返りをCodexに書き込み、ObsidianのJournalsフォルダへ保存する使い方も有効です。
一日の終わりに、達成したこと、悩んだこと、思いついたこと、明日やりたいことを書きます。
そのうえでCodexに、Vault内の知識と関連づけてもらいます。
たとえば、次のように依頼します。
今日の日記を読み、Vault内にある関連情報を参照しながら、明日の改善案を出してください。
この運用では、自分の悩みや行動記録に対して、過去に保存した記事、学習メモ、アイデアが再利用されます。
単なる日記ではなく、自分専用のコーチのように使えるようになります。
日記は書いて終わりになりがちです。
しかしCodexと組み合わせることで、過去の自分の学びが、今の自分へのアドバイスになる可能性があります。
チームの知識共有にも応用できる
現時点では、個人の第二の脳として使う形が分かりやすいです。
ただ、将来的にはチームの知識共有にも応用しやすい仕組みです。
チームで共通のMarkdownベースの知識ベースを持ち、営業資料、顧客対応履歴、マーケティング施策、プロダクト仕様、社内ルールなどを蓄積していけば、AIがそれらを横断的に参照できるようになります。
たとえば、新しく入ったメンバーが質問したときに、過去の資料や議論をもとに答えることができます。
マーケティング担当が施策を考えるときに、営業現場の声や過去の失敗例も踏まえて提案することもできます。
こうした使い方ができれば、属人的なノウハウをチーム全体で活用しやすくなります。
個人の記憶を補うだけでなく、チームの知識を資産化する仕組みにもなります。
おわりに:AIに知識を預けるのではなく、使える形に育てる
CodexとObsidianを組み合わせた第二の脳は、単なるメモ術ではありません。
情報を集め、分類し、関連づけ、必要なときに取り出し、行動につなげるための仕組みです。
重要なのは、最初から完璧な知識ベースを作ろうとしないことです。
まずはObsidian Vaultを作り、RAWフォルダを用意し、気になった情報を入れるところから始めれば十分です。
その後、Codexに整理を任せ、TopicsやSourcesを少しずつ育てていきます。
この仕組みが育ってくると、自分が過去に学んだこと、考えたこと、保存したことが、仕事や生活の中で再び役立つようになります。
忘れていた知識が、新しいアイデアにつながることもあります。
AIにすべてを任せるのではありません。
自分が集めた情報を、AIが扱いやすい形に整えることが大切です。
そこに、これからの知的生産の大きな可能性があります。
Codexを使った第二の脳は、情報過多の時代に、自分だけの判断材料を育てるための強力な土台になります。
よくある質問
Q1. CodexとObsidianだけで第二の脳は作れますか?
はい、基本的な仕組みはCodexとObsidianで作れます。
ObsidianでMarkdownファイルを管理し、Codexでそのフォルダを読み取って整理する形です。
Webクリッパーやブラウザ拡張を使うと、記事やYouTubeの内容を保存しやすくなります。
まずは難しく考えすぎず、Obsidianに情報をためて、Codexに整理してもらうところから始めるのがおすすめです。
Q2. プログラミングができなくても使えますか?
高度なコードを書く必要はありません。
最初にフォルダ構成とagents.mdのような指示ファイルを用意すれば、あとは「RAWフォルダを処理して」とCodexに依頼する形で運用できます。
ただし、ファイル構造やMarkdownの基本は理解しておくと使いやすくなります。
難しいプログラミングよりも、どんな情報をどう整理したいかを決めることの方が大切です。
Q3. どんな情報を保存すればいいですか?
仕事に使いたい記事、学習メモ、読書メモ、会議メモ、アイデア、日記、競合調査、SNS投稿、動画の要点などが向いています。
ポイントは、あとで再利用したい情報を一か所に集めることです。
迷ったら、まずRAWフォルダに入れておけば大丈夫です。
最初からきれいに整理しようとするより、あとで使えそうな情報を逃さないことを優先しましょう。
Q4. Obsidianではなく別のノートアプリでもできますか?
Markdownファイルとしてローカルに保存できる環境であれば、近い運用は可能です。
ただし、Obsidianは内部リンクやVault管理がしやすいため、第二の脳を作る用途と相性が良いです。
特に、ノート同士をつなげて知識ネットワークを作りたい場合は、Obsidianを使うメリットが大きいです。
Q5. 最初に何から始めるのがよいですか?
まずはObsidianでVaultを作り、RAW、Sources、Topics、Entities、Journals、Index.md、agents.mdを用意しましょう。
次に、気になる記事やメモをRAWへ入れ、CodexでVaultフォルダを開きます。
そのうえで、agents.mdのルールに従ってRAWを処理してもらうところから始めると進めやすいです。
最初から完璧な第二の脳を作る必要はありません。
まずはRAWに情報を入れる。そこから始めれば十分です。